1747市区町村図鑑

全国津々浦々の魅力発見

高根沢町(栃木県)/ 大嘗祭献上米「とちぎの星」の産地の成り立ちと魅力を徹底解説

このブログでは、1747市区町村について様々な分野から各地の特色をまとめ、その地で過ごす際の参考にしていただくことを目的としています。旅行のみならず、普段の生活区域や故郷でも、新たな物事を発見する機会となって、各々の視点から見える世界が少しずつ広がっていけば幸いです。

さて今回は、栃木県の高根沢町を紹介します(選出方法は後述)。

なお、情報源は基本的に信頼度の高い公的なサイトを用いますが、もし誤った情報などがございましたら、コメントにてご指摘ください。

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高根沢町(たかねざわまち)とは

基本情報

  • 所在地:栃木県塩谷郡高根沢町
  • 人口:28,641人(2026年1月1日)
  • 世帯数:13,194世帯(2026年1月1日)
  • 面積:70.87 km2
  • 町花:あやめ(町の安定と発展)
  • 町木:いちょう(繁栄する町の姿の象徴)
  • 町鳥:ひばり(町民の和)
  • イメージキャラクター:タンタン、モモタン
  • キャッチフレーズ:くらし 高まる たかねざわ

高根沢町関東平野を代表する穀倉地帯で、栃木県の県庁所在地である宇都宮市に隣接する地域です。町の西部には国道4号JR東北本線が縦断し、市街地や住宅地が広がる「宝積寺駅」から宇都宮市までは10分、東京までは新幹線で1時間で連絡します。

また、町の南部に位置する皇室の台所「御料牧場に象徴されるように、高根沢町では主要農産物である米のほか、麦や大豆、苺、葡萄、梨などの農産物を栽培しています。なかでも、高根沢産の米「とちぎの星」は令和の大嘗祭皇位継承の重要祭祀)の献上米として選ばれました。

観光地としては、西部に宝積寺駅前の「ちょっ蔵広場」や鬼怒川を跨いで位置する「鬼怒グリーンパーク」、水田地帯が広がる中央部に、町の文化やスポーツの総合施設「町民広場」があります。さらに、東部には八溝山系の丘陵地が南北に連なり、地域振興の核となる「道の駅たかねざわ 元気あっぷむら」、南部には「御料牧場」や研究開発団地「情報の森とちぎ」が立地しています。

出典:国土地理院https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html
参考サイト

米どころの高根沢町

高根沢町は、町の総面積の56.2%を農地が占め、そのうち90.9%が水田で、農業産出額の約46%(2019年)が米となっています。その背景には、全体的に平坦な土地(標高109 m~195 m)であることに加えて、4つの用水(市の堀用水と五行川、新堀用水、釜ケ渕用水)が古くから発達してきたことがあります。これらの用水による灌漑は17世紀後期頃から始まり、近世には町全体を潤しました。

その結果、大正13年において8名(栃木県で47名)の地主が50町歩(1町歩=約1 ha)以上を所有し、昭和30年代には町全体の水田面積が約3500 haに達しました。これは、隣りの氏家町(約2500 ha)や喜連川町(約1200 ha)、南那須町(約1000 ha)を大きく上回っており、その広大な水田が現在まで引き継がれています。

こうして米どころとなった高根沢町ですが、近世以前は商家が街路に面して並ぶような町の中心および核となる所が明瞭でなく、集落のほとんどは低地・低台地上に立地していました。集落は孤立分散の屋敷または数軒の屋敷によって構成されており、この傾向は氏家町芳賀町、真岡市と続く五行川低地に広く見られるものです。

そのため、現在の宝積寺・仁井田における駅の開業を契機としためざましい開発は、町の歴史としてごく新しいもので、これらの地域には伝統的な商家の造りがほとんど見られません。一方で、その他の農村部にはかつて数十町歩の農地を所有した富農の屋敷が存在します。これらの屋敷は百年以上前に建てられ、前面に構える長屋門や四つ脚門、広大な屋敷林が特徴です。

また、米に関連したイベントとして、たんたん祭りが毎秋開催されており、稲刈り後の藁を集めて作られたモニュメント「たんたんボッチ」の火入れや模擬店、打ち上げ花火などを行っています。他にも、毎年3月に桑窪の加茂神社で行われる梵天は、五穀豊穣を祈るお祭りまたは雷をよぶお祭りと伝えられる町指定文化財です。梵天を担いで神社の拝殿に突き入れることで、男女の交わり(色男がご神体の女の神に会いに行くといういわれに基づく)を表します。

参考サイト

高根沢町図書館/高根沢町デジタルミュージアム

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高根沢町の歩み

高根沢町の土地の歴史は古く、縄文時代以前より石器や竪穴式住居が発見されています。平安時代には、栃木県有数の神社である安住神社が国家鎮護のために創建されました。次いで、1190~1199年(建久年間)には桑窪城、1348(貞和4)年には阿久津城が造られたとされ、現在これらの城跡は町指定史跡に登録されています。

安住神社では、祓いの神様である底筒男命中筒男命表筒男命や、子授け・安産・子育ての神様または安らかなる住まいの神様と呼ばれる神功皇后様(息長足姫命)が崇敬されています。また、御本殿は県指定文化財であり、建築に江戸時代中期の特徴が見られます。

1351(観応2)年は高根沢」という地名の由来となった高根沢新右衛門藤原兼吉が薩捶山の合戦で討死した年です。高根沢兼吉は、町指定史跡である「高根沢城(権現山城)」を築いた人とされますが、高根沢城が当時存在したかは定かではありません。また、地名には高原山のすそ野(根)にある沢に由来する説もあります。

近世前期には、宇津権左衛門家に伝わる家伝薬救命丸が上高根沢村で誕生しました。18世紀半ばより施薬の配布から売買へ移り、1782(天明2)年に小児専門の常備薬として買い上げられる制度になりました。1804(文化4)年には救命丸の取次店数が374ヵ所となり、取次店の拡大や巡回販売を行ったことで江戸から明治にかけて全国的に普及し、「金匱救命丸」の名で広く知られました。現在は、小児専門の常備薬「宇津救命丸」として販売されています。

1869(明治2)年には、高根沢町域の村々の配属は日光県と宇都宮藩に分かれましたが、1871(明治4)年の廃藩置県によって、高根沢町は日光県と宇都宮県、佐倉県の支配となり、同年11月には町域の3県は新たな宇都宮県に統合されました。そして、1873(明治6)年に下野国(宇都宮県と栃木県)は栃木県となりました。

1888(明治21)年には、市制及び町村制の公布に基づいて提示された町村合併案にほとんど変化がみられなかったことから、村々の結びつきの復活を求める住民の反対運動が起こり、上・下高根沢村合併に伴う「高根沢村」の誕生を願った上高根沢村の群替願が提出されましたが、受理されることはありませんでした。そして、高根沢町域内に北高根沢村と阿久津村、熟田村が成立し、上高根沢村は北高根沢村に編入されました。

戦後の1953(昭和28)年に施行された町村合併促進法(3年間限定)により、町村境が入り組んでいる北高根沢村では度々の協議の後、翌年3年に氏家町と熟田村との合併が決議され、新たな北高根沢村となりました。しかし、この合併は過渡的なもので、阿久津町(旧阿久津村)との合併が残されており、合併促進法の効力を失った後も合併へ向けた協議が行われました。最終的には、1957(昭和32)年より県が指導に乗り出し、11月に両町村合併促進委員会が開催されて高根沢町が発足することとなり、境界変更を経て現在に至ります。

参考サイト

高根沢町図書館/高根沢町デジタルミュージアム

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高根沢ローカルグルメ

様々な農産物を栽培する高根沢には、米や野菜を活かした町公認のローカルグルメとして、以下の4品目が挙げられています。

高根沢ちゃんぽんは本場である長崎県雲仙市との協定締結をきっかけに生まれたソウルフードで、こちらをコンビニ商品化するために地元の高校生が発案したものが高根沢焼ちゃんぽんとなります。

宝積寺駅から南東へ徒歩約15分先にあるお食事処 あづまで提供されるちゃんぽんは、緑・白・赤・黄・橙・茶色の6種類のスープが特徴です。緑は小松菜ペーストと豆乳、白はコーンクリーム、赤はトマトと異なる味でちゃんぽんを楽しむことができます。もちろん、お食事処であるこちらでは、定食や丼物、うどん・そば、中華とメニューが充実しています。

デザートには、高根沢産の米粉を使ったモンブランロールやサクサク食感のコロネなどの和洋菓子を扱う和洋菓子 金令堂(金齢堂)のほか、栃木県下野市の人気ジェラート専門店「伊澤いちご園」とのコラボで生まれたVECCHIA GELATERIA TRAMでいただける、高根沢米粉由来のやさしい甘さがある無添加ジェラートはいかがでしょうか。

特に「VECCHIA GELATERIA TRAM」は、道の駅たかねざわ 元気あっぷむらの施設内にあり、こちらでは食事や遊具・自然のあるエリアはもちろん、温泉や宿泊もできる老若男女問わずゆっくりと過ごすことのできる場所となっています。

和菓子を食べたいという方には、宝積寺駅西口より南方へ徒歩約3分の朝日屋本店がおすすめです。大正10年からの歴史をもつ「きんとんまんじゅう」や高根沢産とちおとめを使ったいちご大福をはじめとして、宝積タルトや大金まんじゅう、蒸しパンなどを扱っています。

高根沢米粉で作られたパンも捨てがたく、「情報の森とちぎ」の近くにあるfu.+では天然酵母パンや米粉ワッフルを購入できるのに加え、不定期にカフェを開いており、ログハウスのおしゃれな店内でランチをいただくことできます。

またイタリア食堂 ヴェッキオ・トラムは、高根沢町 歴史民俗資料館のある町民広場の近くにあり、高根沢産の野菜を活かした生パスタやピッツァなどのイタリア料理を提供しています。ピッツァや「とちぎの星」で作ったライスコロッケ、栃木県産ブランド豚「とちぎ夢ポーク」を使用したタチアータなどはテイクアウトができます。

参考サイト

おわりに

自然と町の調和が特徴的な高根沢町の魅力を少しでも感じていただけましたでしょうか。いわゆる観光地に相当する場所は多くありませんが、縄文以前から紡がれた村々の歴史と米どころの所以を象る田畑、そして時代に合わせて開発を進めた宝積寺・仁井田駅との対照的な町並みは、その地で暮らす人々の姿をありありと現しています。

実際、宿泊施設は数えるほどしかなく、町内では温泉やグルメ、遊び場のある「道の駅たかねざわ 元気あっぷむら」内の施設が理想的だと感じます。ただし、車やバイクなどの移動手段が必須のため、徒歩・交通機関の移動のみの場合は、周辺の市街で宿泊して日中に訪れるのが良いと思います。

最後に、高根沢町の魅力は今回紹介した内容に留まらず、伝統工芸品や行事、廃線、地理歴史など、まだまだ多くの魅力が潜んでいます。ここまでお読みいただいて高根沢町に興味を持った方には、高根沢町をさらに深掘りしたり、訪れたりするきっかけとなれば幸いです。

このように、第1回「高根沢町」に続き、残り1746市区町村についても順次取り上げていきます。また可能であれば、現地での記録を番外編や本編に挿入する形で紹介しますので、併せてよろしくお願いします。

市区町村の選出方法【付録】

都道府県コード及び市区町村コード(総務省)のコード一覧表より、1724市町村+東京23区(1747市区町村)を非重複のランダム順に再リスト化し、1~1747に番号付けした表を作成しました。そのうえで、各回で対象とする市区町村を番号順に紹介していきます。

参考サイト